伯方の山山と小島
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トウノ峰
距離 約350m
標高差 約80m
一般道
林道・農道・私道
徒歩
下記写真の場所


次に目指すトウノ峰は、宝股山の真横。
駐車場の奥にある林道へ。

登山口は正面のカーブにあります。
距離にして50mもないかな。


「林道宝股山線」は、延長857.9mもあるみたい。




左のガードレールが途切れたところが登山口。

さて、宝股山は有名だけど、トウノ峰は地図に山名も載ってません。
一応、地形図には道があるように破線が描かれています。
問題は、その道があるのか、歩けるのか…。
現地に行ってみないと分かりません。
一か八かって感じで訪ねてみたらー


階段がある!
めっちゃ、うれしい!

草は濃いようだけど、道はしっかりしてるようです。
宝股山の遊歩道を歩いたあとじゃ、全然、快適な道に思える。




屈んでくぐらないといけないような倒木も平気。




道は基本的にまっすぐ続いていました。
ずっと木陰です。




伯方町誌を読んでも、トウノ峰に関してはなにも載っていません。
この道が整備されたことも、です。




あっという間に山頂部に到着しました。
階段を登り切ると、木が生えてない場所が左右に細長く続いています。


左側には、なにやら、小屋のようなものがあります。


最高地点は右奥にあるので、右へ曲がりました。


「奉献」と刻まれた石碑が転がっています。
昭和な頃に、神仏に貢ぎ物をされた方がいらしたみたい。
と云うことは、ここは宗教的な場所?




早速、石灯籠がありました。

石灯籠の間を抜けるとー


石仏? 石像?がずらっと並んだ祭壇がありました。

この祭壇がトウノ峰の最高地点です。


左から、1体目。


2体目。


3体目。


4体目。


5体目。

格好的に、日本神話の神様たちみたい。

で、その後ろ、トウノ峰の最高地点にー


「天之御中主命」と彫られた石碑が立っていました。

「天之御中主命」と書いて「あめのみなかぬしのかみ」と読みます。
『古事記』に描かれている神々の中で最初に登場する神様です。
天地創生の神さまです。


石像の裏に道が続いていましたがー


最高地点をぐるっと回って祭壇の前に出ました。

個人的には、更に西にある龍ノ岡に行ける道があって欲しかった。
でも、それらしい道や踏み跡はありませんでした。
冬枯れた時期なら行けそうな気はしますが。

と云うわけで、引き返しー


階段を登り切ったまで戻り、左に見えてた小屋を覗いてみることに。

少し下ります。




小屋の脇を抜けるとー


小屋はお堂でした。

参拝ついでに、中を覗かせていただきました。


小ぎれいですが、畳は相当、古そうです。


「高天原」の額。
左の提灯には「大日霊女教」と書かれていました。
「大日霊女教」は「おおひるめきょう」と読みます。
叶浦の方に本部があるようです。
祖神(おやがみ)は、天之御中主命。
祭神は、大日霊女貴命(おおひるめむちのみこと)
大日霊女貴命は、天照大神(あまてらすおおみかみ)のたくさんある別名のひとつです。

太鼓の奉納日は「昭和55年」。
倒れてた石碑の奉献も同じ年でした。
登山道も石像もお堂も、大日霊女教の信者さんらが建てられたのでしょう。
このお堂は、奥の院のようです。

と云うわけで、トウノ峰のお山歩、終了です。

ひとりごと

道があってよかったです。
国土地理院の地形図には破線が書いてありました。
でも、実測された道ではなく、航空写真などからたどり、推測され、描かれた道です。
ものによっては、最初に描かれたのは何十年も昔だったりします。
山仕事などで利用する人がいなくなれば、道は途端に雲散霧消、自然に還ってしまいます。
だから、大抵、現地に行くと、まったくないってことが普通です。
だから、トウノ峰の道も、あきらめ半分でした。
それが、現地に行ってみたら、ちゃんとあるじゃない!
それも、階段整備された道が!
宝股山登頂&遊歩道巡りの疲れも忘れるくらい、うれしかったです。

そうしてたどり着いた山頂。
まさか、大日霊女貴命(おおひるめむちのみこと)に迎えられるとは思っていませんでした。
お宮や祠があるのは普通だけど。

「大日霊女教」は、伯方島と新居浜に支部がある、昭和23年(1948)発足の宗教団体。
神憑りとなった島に住む方が代表となられています。
仏教じゃなく、神道です。

山頂に、5体の石像が祀られています。
ちなみにですが、出雲大社本殿には「客座五神」と云う、天地創生の神様が5体、祀られています。

天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
高御産巣立日神(たかみむすびのかみ)
神産巣立日神(かみむすびのかみ)
宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)
天之常立神(あめのとこたちのかみ)

5体の石像は、「客座五神」なのかな?

これらの神々は、「古事記」に登場し、「日本書紀」にはでてきません。
天地開闢=天と地ができた世界の始まりのときに現れました。
まず、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神が高天原に現れ、でも、すぐに姿を隠されました。
その後、陸地が海に浮かぶクラゲみたいな状態だったときに、宇摩志阿斯訶備比古遅神と天之常立神が出現。
二神もまた、すぐに姿を隠されました。
イザナキ、イザナミが矛で海をかき混ぜ、日本列島を造ったのは、5神が隠れた後です。

さて、上でも少し触れましたが、ホントは、更に西へ、縦走したかったです。
龍ノ岡って云う、標高292.7m、「龍ヶ岳(りゅうがたき)」三角点のあるお山に行きたかったです。
三角点の点の記には、歩道状況:道なし(尾根を登る)とあるのみ。
道はないようです。
でも、トウノ峰からなら、尾根伝いに行けるかなって、小さな期待を抱いていました。
結果、ありませんでした。
行けたとしても、一旦下って、また登るようなルートになります。
直線でもない、700mくらいの距離。
点の記の尾根ルートも700m。
どっちもどっち、かな。
とは云え、島の最高峰でもないし、無理して行くほどでもない。
城跡や遺跡があるほかのお山行った方がいい。
そう思い、すぐに下りました。

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